おがさわらこうた
小笠原小唄
ヒラノエクスプレス：作詞／島口 駒夫：作曲
（元歌＝ラバウル小唄＝若杉 雄三郎ほか：作詞）
さらば小笠原 また来るまでは
しばし別れの 涙が滲む
恋しなつかし 父島見れば
タコの木蔭に ペペ・グリーン
船は出て行く ケータイ沖を
いとしあの子が 水中ジャンプ
声をしのんで 心で泣いて
両手合わせて 有難う
波の響きで 眠れぬ夜は
語り明かそよ 旅人仲間
星がまたたく 夜空を見れば
宿の島寿司 なお美味しい
赤い夕日が 波間に沈む
果てはいずこか 水平線よ
今日もはるばる おがさわら丸
影に船乗り かもめ丸
注：元歌は、戦時歌謡のスタンダードナンバーのように思われているが、むしろ軍人たちの間で発生してよく歌われていたものというイメージが強く、内容的には戦意昂揚などは感じられない歌である。若杉雄三郎という人は、歌詞を整理しながら４番と５番を作詞しただけで、３番までの作詞者は不明である。
さて、私製替歌は、東京から見てラバウルと同じ方向にある小笠原に実際に旅して、島を出る時の出航の際に盛大な地元の旅館や観光業者らの見送り、とりわけ船にも途中まで自らの船でついていって沖のあたりでとびこむというパフォーマンスなどを、こんな心境に託したものであった。実際に船で小笠原を訪れたことのある人ならわかるかもしれない。もし、計画されているジェットフォイルや航空機が小笠原に来るようになってしまったら、なくなるかもしれない光景である。